第10章 試練
「なんで言わなかったのよ。バカ!」
この時の先生はとても今まで以上にきれいに見えた。
「私・・ずっと待ってる・・だから別れるなんて・・言わないで。」
「わかったよ。美弥。好きだよ。」
お兄さんは先生にキスをした。
しかも舌まで入れて。
「瑠奈、顔赤いよ。」
「宏光?」
私は宏光を見上げた。
「ずるいよ。瑠奈。」
「えっ?」
「屋上。」
そう言って宏光は私の手をひぱって屋上に行った。
「宏光、身長伸びた?」
「うん。」
宏光は空を見上げた。
どうしたんだろう?
「瑠奈、ごめんな。」
「何が?」
「今まで黙ってて。」
「いいよ。私ね。太輔くんに言われたんだ。」
宏光は急に怒った顔になった。
「また・・太輔なんだ・・・。」
宏光?
ぎゅっ!!!
「宏光、どうしたの?」