第10章 試練
「でも、いいよね。宏光もしてたんだから・・・。」
ねー。宏光怒ってよ・・何か言ってよ・・・。
「俺、帰る・・・。」
宏光・・それだけ?
「宏光・・待って。」
「・・瑠奈、バイバイ。」
宏光は帰って行った。
何で?どうして?バイバイ?もう・・話してもくれないのかな?
そんなの・・さみしいよ・・・。
行かないでよ。
「瑠奈、涙出てるよ!」
「えっ?」
私は悲しくて泣いていた。いや・・・悲しいでは表せない。
「藍、私・・帰るね・・本当に・・ゴメン。」
「うん。」
私は家に帰るとすぐに寝た。
朝・・・
私は学校に行きたくなくて休んだ。
夕方になると太輔くんが来た。
「瑠奈ちゃん、どうして休んだの?」
「宏光が・・・先生と・・っ・・・昨日は・・・バイバイっ・・って。」
私は泣きながら言った。
「宏光と先生?」
「キスしてた・・・。」
「それって、キスしたところしか見てないんでしょ?」
「うん。」
「じゃあ、宏光がしたくてしたか分かんないし。」
「その後・・また保健室行ったら・・宏光と先生触れ合ってた。」
「先生に何か言われたんじゃない?」
「でも、昨日は宏光がバイバイって・・。」
「それも先生に何か言われたんじゃない?」
「・・・。」
もうわかんない・・・。
「瑠奈ちゃん、本当に好きならあきらめたらいけないよ!」