第8章 思い出せない・・そして現実
朝、私は早く制服を着て家を出た。
「あっ、北山くん・・・。」
どうして北山くんがいるの?
「瑠奈ちゃん、学校行こう。」
「でも、太輔と・・・。」
「太輔に頼まれてきたんだけど。」
「でも、昨日一緒に行くって約束したもん。」
「いいから。」
なんで、太輔?
さっきから何も北山くん話さない。なんか話さないと。
「北山くん・・・好きな人いるの?」
「うん。」
あれ、胸が痛い。
「なんか初めてみんなと話した時のこと思い出したよ。」
「えっ?」
「初めてね、みんなでレストランに行った時も、瑠奈ちゃん・・聞いてきたんだ。でも、その後なんだけどね、好きな人できたの。」
「誰?」
「教えない。」
初めて・・レストランで・・・みんなと?