第15章 壊れた傘はおいてった
あれから何時間かたって、
神楽も新八もようやく眠った頃、俺はまだ椅子に座って、今日あったことを考えていた。
実は神楽たちは知らないが
手分けしてを探していたとき、
俺の目の前に神楽の兄貴が姿を現していた。
『っ…おまえ』
『あはは、こんにちは。お侍さん。また会えるなんて光栄だよ、ホントは殺りあいたいところだけど今日は違う話をしに来たから我慢するね』
にこにこと気持ちわるいくらいに笑っている目の前の男に苛立ちながら、俺は早く話を終わらそうとする。
『何がいいてんだ、早く要件を話しやがれ』
『あはは、せっかちなんだね』
『…』
『君たちが連れてた女。俺が連れて行くことにしたから、それを伝えに来たんだ。』
『は?んなことさせるかよ』
『どうしてだい?君の恋人なのかい?』
不思議そうに首をかしげるこいつに悪気はなさそうだ。
『ちがうけど』
『そう、ならいいでしょ。まぁ殺したりはしないよ用が終わればここに返すから』
『んなこと言われて渡すわけ…』
俺がそう言うと、神威は風が吹いたと同時に姿を消した。
『っ』
戦いしか脳がないやつの言葉なんか信じられるかよ、
どうするべきなんだ俺は。
一人風に吹かれながら、自分の無力さにため息が出た。
それにしてもあんな悪党が、
わざわざ誘拐の知らせをよこすなんてな
何を考えているのか
「…っち、どいつもこいつも厄介だなおい」
あてもなく。
街を走り回った。
宇宙(そら)のうえの彼女を探して