第15章 壊れた傘はおいてった
「……」
「っ…」
「……。」
あれからを探し回ったが見つからず、
遅くなったから嫌がる神楽たちを無理やり連れて
一旦家に帰った
新八はソファーでうつむいてるし
神楽は押入れの中で泣いている。
神楽は異常な程なついていたし、
新八もそりゃあ心配だろう。
俺は椅子に座って考える。
夜兎か…
何のためにを連れて行ったんだ
家から出たことないはずだから、前から目をつけていたのは考えらんねぇよな。
「はぁ…」
お江戸の警察とやらもこんな状況じゃ役に立たねぇし、
どーしようもねぇな。
「銀ちゃん…」
「ん」
「私、を助けに行くアル」
「どーやってだよ」
「宇宙に行くアル」
「だめだ、危ない」
「だってが殺されるかもしれないネ!」
「…」
「銀ちゃんはが殺されてもいいアルか?」
「神楽ちゃん…」
「んなわけねーだろ」
涙を溜めて訴える神楽に新八も悲しいそうな顔をした
。
「じゃあなんでアルか!」
「お前らまで危険な目にあったらどーすんだ、とりあえず今はここでおとなしくしとけ!」
少し声を大きくして言い聞かせる
銀さんだって、心配だ。
「…わかったアル……」
「神楽ちゃん、きっと大丈夫だよ…」
新八が神楽の肩に手を置いてなだめる。
玄関の方を見ると壊れた傘が、
のだ
『そいやーお前の持ってた傘、俺が折っちまったんだ、一応家においてあっから、捨てるならいってくれ』
『そうなんですか?助けてくれた時に?』
『あぁ、すまねぇな』
『いえ!助けていただけたのですから!平気です、傘は…持って帰りたいです』
『ん、じゃあ家でな』
壊れてもいるってことはかなり大切なものだよな
「かえさねぇと…」
「何か言いました?銀さん」
不思議そうな顔をして聞く新八に
なんでもねぇと言って、俺は机の上に足を置いた。