第14章 なくした傘
許嫁…彼女役か…私にそんなことできるでしょうか
怖くて引き受けてしましましたが不安です。
神威さんは忙しいみたいで、あれから少し話すとまたすぐに部屋を出ていきました。
部屋を出ていく前に、神威さんはこう言いました。
『この部屋から出たら、どんな理由でも殺すからね』と。
暇だから外に出てみたいけれど、殺されるのは嫌ですし…
そう思いあたりをきょろきょろしていると
狭い視界のなかに丸い窓のようなものが見えました
「これは…」
外が見えます!
「うわぁ…!」
すごいです、真っ暗だけど星が見えて
すっごく綺麗です
と、同時に
真っ暗が悲しくて、心が痛くなりました
これが宇宙…
寂しくて綺麗な
新しい世界
神威さんは毎日この景色を見て
何を思うんでしょうか
「…♪」
暇つぶしが増えました
それからどのくらいたったのかわかりませんが
私はずっとその窓をのぞいていた
終わりのない、暗闇を