第10章 仲間の傘
「ー!早く買い物してかえるアル!」
お菓子コーナーでうろついていると神楽ちゃんが戻ってきました、心なしか神楽ちゃんの顔がこわばっている気がします。どうかしたのでしょうか。
「おかえりなさい、何かあったんですか?」
「え?!何もないアルよ?!いいお菓子はあったアルか?」
あからさまに様子がおかしいけれど、ここは知らないふりをしていたほうがいいでしょうか、私は流されることにしました。
「いいおかし、そうですねたくさんあって迷っちゃいます」
くすくすと笑うと神楽ちゃんは嬉しそうに、私は酢昆布が好きだと言いました。
「たくさん買って帰りましょうか、私が払いますよ」
「いいアルか?!は銀ちゃんとは大違いネ!」
「銀時さんはお金を持っていないんですか?」
「全然持ってないアル!」
「そうなんですか」
だけど銀時さんの話をするときはいつも楽しそうです。
私達は買い物を済ませると、また、商店街を歩きます。
手をつないでゆっくりと。