第5章 壊れた傘は捨てますか?
ブロロロロロロロ
強い風が体中にあたってびっくりしてる私は今
先ほどの男の人に連れられてスクーターに乗せられています。
銀時、さんと言いました。
私が歩いて行くといったから、病院まで連れて行ってくれるみたいで、親切な人です。
「お前さ、なんで初対面のやつにそんな気を許せるわけ?」
前に乗って運転している銀時さんが言う、
うーん、なぜでしょう
私は悪い人を見たことが無いですし、
「あなたはいい人だと、思うからですかね」
「そう」
どんな顔をしているかは見えないけれど、銀時さんはそう言うと、家族のことを話してくれた
地味な男の子と大食いな女の子がいるらしい。
迷惑なんだよ、今度会いにきな。なんて言ってるけれど、なんだか声は嬉しそうで
私もそんな風に思って貰える人がいればいいな、なんて思ったり
「そいやーお前の持ってた傘、俺が折っちまったんだ、一応家においてあっから、捨てるならいってくれ」
「そうなんですか?助けてくれた時に?」
「あぁ、すまねぇな」
「いえ!助けていただけたのですから!平気です、傘は…持って帰りたいです」
「ん、じゃあ家でな」
「はい」
「ついたぜ」
「あ…ありがとうございます」
かぶっていたヘルメットというものを銀時さんに返し、私は深くお辞儀をした。
「帰りも大変だろ?ここで待ってっから、早く行って来い。」
「…」
私は驚いてしまった。
こんなにも、優しい人が世界にいるなんて
「どうした?」
「どうして、そこまで…?」
「俺は万事屋なんだよ、」
「よろず…や?」
「そ、まぁ要するに何でも屋だ」
「なんでも…」
「困った奴がいたら、助けるのが仕事よ、さ、早く行ってこい」
「はい!ありがとうございます!」
そう言うと私は病院の中へ急いだ。