第5章 壊れた傘は捨てますか?
「…」
なんだか私は、気絶したり眠ってしまったりが多いみたいです、あれ、ここはどこだろう。
見たこともない景色です
私は何をしてたんでしたっけ?
あ。病院へ行っていたんだ
早く、行かなきゃ
なぜかいた布団から起き上がる、うーんやっぱりまだ頭がいたいです。
「お。起きたか」
「?…」
私の視界には誰もいなくて
声が聞こえた方に顔を向ける
「具合はどうだ?」
「……」
驚いて固まってしまった。
「どうした?」
そこにいたのは見たこともない人で、なんだかもこもこした白髪頭の男の人。
やる気なさそうに私を見ています
「あ……」
なんだか言葉が出なくて、口をパクパクさせていると私の言いたいことがわかったのかひと通り説明してくれました
「道に落ちてたんだよ、君。だから俺が拾ってやったんだ、感謝しなさい。」
「ありがとう、ございます…」
「別にいいけどよ、何してたんだ?」
「病院へ…行こうと思って、歩いていました」
「あんな道の真中をか?」
「???」
「まさか、おぼえてねぇの?お前が倒れてたのは車道のど真ん中だったぜ?」
「そうなんですか?」
「ほんと危なかったよ、そしたら倒れやがって、車に轢かれそうだった」
「あ…」
私は視野が狭いから、これがあたりまえだと思ってたけどそうだったのでしょうか、車が通っていいとこと、歩く道は分かれてたんだっけ?
そういえば昨日も『なにも見えてないみたいにさっきからまっすぐ歩いていたね、みんな避けて行くのが当たり前とでも思っているのかい?』なんて誰かに言われましたっけ?私、道の真中を歩いてたのでしょうか?
なんだか恥ずかしくなって俯いた
「なんかある見てぇだが、この辺に病院なんてねぇぞ?どーやって行くつもりだったんだ」
「木寄病院です…そこにいきたくて」
「ちょ、お前木寄病院ってこっから車で30分はかかるぜ?」
「え…」
そう、ですか…がんばんなきゃです
「どうやら場所も行き方も知らねぇ見てぇだな」
「は、い…でも大丈夫です。ありがとうございました」
立ち上がり玄関?に向かうと引き止められる
「おいおい待てよ、お前そんなフラフラで行くつもりか?もう少し休んでいけよ」
「できません、大切な人が…倒れたんです」
「…はぁ、そーゆーことね」
そう言うと男の人は私を外へ連れだした。