第4章 雨だから傘をさす
「…」
目を覚ますと、薄暗い部屋。
あれ、朝くらいかと思ってたけど、もう暗くなる時間?
ちらっと時計を見ると11時。やっぱりまだ早いです。
…なんでこんなに暗いんでしょう?
フラフラする頭や体を起こすとカーテンへ歩み寄る。
ひらっとそれをめくると広がったのは雨
「あ…雨か…」
納得です、最近なんだか雨が多いみたいです、梅雨は2ヶ月前くらいに終わったはずなのだけど。
昨日よりも柔らかそうな雨に、なんだかワクワクしました。
『こんな無茶…もうしてはなりませんよ』
ふ、と。
悲しそうな久野瀬さんの顔が浮かんだ
「…」
しとしとと、柔らかく降る雨を見て、
雨は嫌われ者で可哀想だな。と思った
今日は優しいのに
久野瀬さんにもう心配かけたくありませんし、あんな悲しそうな顔は見たくないから、私はそっとカーテンを閉め、久野瀬さんのいる部屋へ向かった。