第1章 良い子は真似しちゃいけません
「なぁ、白石ー」
「何や、金ちゃん」
「この格好何?」
「ふふふ…知りたいか?」
「知りたい!!教えてや、白石!」
「実は、これから俺らは街に出てきている敵を倒しに行くんや。それでこの変身スーツを着とるんやで!分かったか?」
「えぇ!なんや、ヒーローみたいや!かっこええ!わいも行けるん?」
「勿論やで!そのスーツを着ている限り!」
「…金ちゃんはどっちかっていうとこんな腐れもんを着ている俺らをテレビの向こうで応援するほうがお似合いっすわ……」
「あー確かになー…キャラ交代するか?」
「えー!わいもヒーローの役やりたい!やりたい!」
「まぁ、オカマとかホモとかごつい坊さんみたいな人とか影薄い人よりは、まだ見ていて人気ありそうですわ。というか寧ろ俺が帰りますわ」
「何言うとんねん。財前!!お前帰ったら、まともな奴いなくなってまうで!!」
「あ、謙也さん。いたんですか。てか、自分の事よう分かってますやん。ようやく認めたんすね…一歩大人になって俺、嬉しいですわ」
「な、今の言葉に俺は含まれてないわっ!!」
「わー大人気ない…てか、人のことよう言えますね。これならテレビの前で騒ぎ立てる子ども役アンタに一番お似合いっすわ」
「お、俺は…大人やー!なんやー!財前のくせに生意気や!もうちょっと先輩を敬えっちゅうねん!」
「敬えるようになったら敬ってあげますわ。まぁ、そんな時は一生来ないと確信してますんで安心してください。」
「財前ーー!!!」
「はは…ホンマ仲ええなー…仲いいことはええことやで。レッドとしてこの活気と団結力は褒めなアカンところやな!エクスタシー」
「わいも混ぜてー!!」
「お前ら…楽しそうだな。だが!それもそこまで!」
「うっわ…今時、まともに茶色い怪獣かいな。センスなさすぎっすわ。しかも楽しいとか、ふざけんのもたいがいにせぇや」
「そうやでー!てか、聞いてぇや!怪獣!!この生意気な奴!俺のこと子ども言いよるんやで!?」
「あ、怪獣出てきたんかいな。戦わなアカンのは山々やけど…もうちょっとこの交流の時間大切にしたいねん!分かるやろ?この美しき友情を!見いや!エクスタシー!」
「このレッド最高にうざいっすわ…」
「ホンマにこいつときたら先輩を敬う態度ってのがひとつもないねん!泣いてまうで?泣いたら慰めてーな怪獣!」
