第6章 ~真相~
梨緒母「その時からあの人はピアノを弾くなって強制したの。
でも、梨緒はどうしても弾きたくて。
私たちがいない時間を見計らって、弾いていたみたい。
でも、ある時また事件は起こったの。
梨緒が10歳の時、たまたま仕事が早く終わって家に帰ってきたら、梨緒がピアノを弾いていて。
それに激怒したあの人が、梨緒を殴って。
梨緒はその反動でピアノに頭をぶつけた。
それから、梨緒はあの人に関わらなくなっていった。
そんな梨緒を見てて思ったの。
あの人から、梨緒を守らなきゃって。
だから、私たちが帰る時間に、梨緒にメールをして。
それからは、一度もバレなかった。
そして、今日またこんなことがあって。
私は梨緒を守れなかった。
母親失格よね………………」
翔「そんなことないです。」
俺は泣きながら訴えた。
翔「お母さん。少しでも、梨緒ちゃんを守りたいってまだ思っているのなら、俺たちに協力してくださいませんか?」
梨緒母「もちろん。
梨緒のためなら、なんでもするわ。」
翔「ありがとうございます。
では、詳しくは後ほど連絡しますので。」
梨緒母「よろしくね。
ありがとう。あなたに出逢えて良かった。」
翔「お礼を言うのはこっちですよ。
こんなにピアノを好きにさせてくれたのは、梨緒ちゃんなんですから。
ありがとうございました。
一緒に頑張りましょう!」
俺はそう力強く言って、病院をあとにした。
明日から、本格的に動いていかなきゃいけない。
けれど、協力してくれる人が増えた。それは、とても心強かった。
あとは、みんなにわかってもらえるか……