第5章 ~君と~
梨緒「親に弾くなって、言われてるんです。
だから、親のいないこの時間しか、好きなピアノを弾くことが出来ないんです。」
そして、俺は梨緒ちゃんについて知った。
梨緒ちゃんの家は、お父さんが会社の社長で、お母さんはその秘書をやっている。
梨緒ちゃんは幼い頃から、たいていの時間一人で過ごしてきた。
でも、ピアノを弾くことで、その寂しさはすこしは無かったと言う。
しかも、驚くこと?に梨緒ちゃんは病気などではなかった。
親に強制的に家に居させられているらしい。
学校にも行ったことないし、それ以前に、外に出たことがないらしい。
親は、外部との接触を一切遮断して、17年間過ごさせてきたのだという。