幸せをありがとう。そして、さようなら。【短編集/黒バス】
第3章 まさかコンナニ早いナンテ……【赤司征十郎】
赤司side
僕はつい昨日、定期検診に行ってきた。いつからかは判らないが心臓病を2つ同時に患っている。正直に言うともうバスケをすることはこの上無く困難だ。
赤司「桜……大事な話が有るんだ。……聞いてくれるか?」
桜「うん!わかった。部室でいい?」
赤司「ああ。今回ばかりは……もうどうにも為らないらしい。そろそろ限界が来たみたいだ」
桜「えっ??……うそ、、だよね?」
嗚呼、嘘っぱちならとても良いのにな。嘘ならば君に笑って《冗談だ》と言えたから。でもそれは叶わない……何故なら余命3ヶ月と宣告されたから。
赤司「残念だが……嘘とは言えないんだ」
桜「……そんなっ、、何で征くんが」
赤司「そろそろ部活の時間だ。切り替えるよ?桜……」
桜「うん。……で?レオ姉とコタ先輩たちは何をしてるの?」
桜が入り口を見て、そこで聞き耳を立てて居たであろう玲央と小太郎たちに呼び掛ける。
玲央「あら、バレてたのね」
赤司「ああ、思いっ切りね。とくに小太郎」
コタ「えっ!マジ!?」
永吉「バレるから止めとけっつたのに」
桜「マジですよ!……どこからどこまで聞いてました?」
玲央「征ちゃんの《残念だが》からよ。何が残念なのかしら?」
バレる……僕はこのまま何時もと変わらない日常生活を営んで桜とキセキの世代と父さんだけが見守ってくれる所でコッソリと死んで学校には誤魔化しておくつもりだったのに。