第1章 強く、もっともっと強く‼︎
ギィ……
扉の音が小さく響いた。
「よォ……久しぶりだな」
「えっ⁉︎」
驚きのあまり、私は歩みを止めてしまった。
まだ私はお店に一歩しか入っていないのに……
なんで久しぶりって言えるの?
“振り向いていない”のに…
「俺がお前の事を忘れるわけないだろ?」
「せ……ん…ちょ?」
私は震える唇でやっと言葉紡いだ。
すると、彼はゆっくり振り向き、ニカッと笑った。
「あァ……
元気にしてたか、アリス?」
自分の名前を呼ばれた瞬間、私の身体は彼に向かって動き出していた。
「船長さん!」
勢いよく抱きつく。
船長ことシャンクスはアリスを優しく抱きしめて、頭を撫でる。
「結構力ついたなァ〜。
しかも美人になって……」
「お頭ァ……アリスに惚れんなよ?」
「バーカ、アリスは俺たちの仲間だぞ?
忘れたのかてめーら」
「なわけないだろ!」
「アリスちゃんが船を降りてからずっと男ばっかだったのによー!」
「そーだよな!」
「むさ苦しかったよな!」
「「「男ばっかで!!」」」
「「「「ぎゃはははは」」」」
賑やかすぎる。
「船長さん、ずつと聞きたいことがあったんだけど……」
「なんだ?どうした?」
「なんて私を船から降ろしたの?」
一瞬にして、笑い声が止んだ……