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女の私の憂鬱 《黄瀬涼太》

第6章 修学旅行は波乱の予感?


春ー

俺達は三年生になった。俺にとっては初めて帝光中で迎える春だった。そして、三年生になれば、行事もまた、増える。そう…


修学旅行だ…


「氷童ちん!修学旅行、楽しみだねえ~」

「そうか?別に…」

「そんな事言って~楽しみなくせに~」

三年生になり、また、一段と成長したキセキ達。そして今は午後の練習になる。新しい一年生が入り、帝光中は一段と強くなった。それが何より喜ばしい。

「楽しみじゃない!」

隣にいる桃井はクスクスと笑いながら、俺を茶化してくる。俺の大事な友人の一人だ。

「あ、いたいた!椿ちゃん!」

「ん?瑞穂か?」

そこに部活が終わったであろう塚田瑞穂が笑顔で俺の元に駆けてきた。瑞穂もまた、俺の大事な友人だ。

「部活、終わったのか?」

「うん、今日は軽かったからね!…んで最近、黄瀬君とはどうなの?上手くいってる?」

「ま…まあ、それなりに」

興味津々な感じの瑞穂に桃井が悪い笑みを浮かべてこそこそ話でもするかのように口元に手を添えて瑞穂に喋りかけた。

「(瑞穂ちゃん、それがね~この前、一緒にお風呂、入ったんだって~)」

「(きゃあ~ラブラブねえ~羨ましい)」

「おい…桃井、それ、誰から聞いた?」

「きーちゃんだよ」

桃井、瑞穂とニヤニヤしながら俺を見てくる。全く…女子はこの手の話が大好きだな…それより、後で黄瀬を絞めるか。桃井と瑞穂の頭を軽く叩き、もうすぐ終わるであろう部員達を眺めた。
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