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女の私の憂鬱 《黄瀬涼太》

第5章 クリスマスデート


「はあ…ついにこの時がきたかあ…」

自分の部屋で姿見の鏡を見ながら、ため息を漏らす。今日は12月24日。クリスマスイブ。黄瀬と前から決めていたデートの日だ。鏡に映る自分はスキニーを履いていて上は首周りが広く開いたTシャツとファーがついたジャケット。

「デートなんてしたことねーし…こんなんでいいのか?」

何度も何度も鏡を見て確認。時計を見れば、5時を少し回ったところだった。集合は6時の駅前。まだ、1時間以上も時間があるが家にいるのも落ち着かないので家を出ようとした時…

「なに?もう出掛けるの?」

「か、母さん…」

「椿、そんな格好で行くの?」

「まあ…」

すると母さんは困ったような顔をして俺を玄関から脱衣場に連れ込んだ。え?なに?

「ちょっとお~そんなんで行くの?もっとお洒落しなさいよーちょっと待ってなさい!まだ、時間あるでしょ?」

「え?母さん!」

母さんは慌ただしく脱衣場から出ていき、二階にかけ上がって行った。もしかして、俺の服がダメなのか?名一杯お洒落したつもりなのになあ…

「これ、着ていきなさい!」

すぐに戻ってきた母さんの手にはなんともガーリーな可愛らしい服があった。まさか、これを着ていけと?なんか母さん、めちゃくちゃ、ドヤ顔だし。
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