第3章 バンドコンテスト
次の日ー
バンドコンテスト当日
ついにこの時がきた。俺達は練習に練習を重ね、頑張ってきた。今日、その練習の成果を発揮する時だ。
「次のバンドメンバー、お願いします!」
生徒会の一人が呼びにきた。ここは学校の応接室だ。ここを解放し、控え室としてバンドメンバー達が活用している。
「俺達の番だな…」
「よっしゃ!やるぜ!」
篠原と佐藤が気圧の籠った言葉を告げる。体育館の裏口から中に入り、体育館の袖で待機する。今は前のバンドメンバーが懸命に歌を歌っている。
「間違えんなよ?」
「それはこっちの台詞だってば!」
「なんだとー!隅田!」
隅田の鋭い指摘に佐藤は憤慨する。
「静かにしないか…!」
耐えきれずに俺は静かな声で諭す。まあ、これがいつもの俺達だが。前のバンドメンバーが終わり、次に俺達の番が回ってきた。
『次はイケメン、4人組、グループのスノースクイズです!』
「イケメン、4人組って…俺女なんだが…」
「気にしてちゃ、きりねーよ、氷童」
ポンッと塚田が俺の肩を軽く叩く。暗いステージに上がり、マイクセットやギターの音調整、ドラムの感触。観客はざわざわと今か今かと待ちわびている。緊張が頂点に達する。
(今、出来る全ての力を注ぐ!)
『お願いしますっ!!』
「…皆、楽しんで行ってくれ!」
「「きゃー!!」」
俺の声と同時にライトが電灯。曲が始まる。
「1曲目は…放課後ストライド!」