第3章 バンドコンテスト
「ん?いいのか?」
「勿論っスよ!一回しか言わないっスからね」
「なんだよ…勿体振って…」
黄瀬はたっぷり合間を取ってから自分の夢を語った。
「…椿っちをお嫁に貰う事っス」
ゴチン☆
「痛いっスよ!なんか変な事言ったっスか?」
「…そんなこっぱずかしいこと良く言えるな…/////」
あまりの恥ずかしさに黄瀬の頭を叩いていた。夢がなんで俺を嫁に貰う事なんだ…
「だって本当の事っスもん」
「っ~~////」
恥ずかし過ぎて突っ込みも出来ない。
キーンコーンカーンコーン
授業の始まりのチャイムが鳴った。来てからずいぶん、黄瀬と喋っていたようだ。俺は体を黒板の方に向けて先生が来るのを待つ。チャイムが鳴ってから数秒して先生が顔を出す。
「おはよーさん!…ここで一つ皆にええ知らせやで?」
教室に入ってきてそうそう先生はそんな事を口にした。いい知らせ?
「今年、特別に生徒会が企画したイベント…バンドコンテストが開催されるらしいんや」
は?バンドコンテスト?なんだ、それ?黄瀬の方に顔を向けて首を傾げる。黄瀬もわけがわからないと言った感じで肩を竦める。
「バンドコンテストってのはまあ、簡単に言えば、バンド組んで歌歌って審査してもらうっちゅーやっちゃ」
ホントに簡単だな…
「参加の必修項目は最低でも4人以上…だけや、衣装も自由やし、男女混合でも問題ない…参加したい奴は生徒会に申し出るように!以上!朝のHR、終了!」
先生は早々、教室を出て行った。バンドコンテストか…
「椿っち、出たいって顔してるっスよ」
「え?顔に出てたか?」
「顔にでかでか書いてあるっスよ」
「…////」
クスクスと笑っている黄瀬。昔から顔に出るのはどうも癖らしい。