第7章 番外編2 ーバカでも風邪は引くらしいー
《黄瀬side》
いつの間にか寝ていたのか気がついた時には次の日の朝になっていた。小鳥の声が微かに聞こえる。
「椿っち?」
膝辺りに重みを感じ、目を向けるとそこには眠っている椿っちがいた。疲れたのか可愛い寝息を立てながら寝ていた。
(最後まで看病してくれたんスね…)
椿っちを引き寄せ、頭を優しく撫でる。気がつけば、体のダルさも熱っぽい体もすっかり治っていた。体が凄く軽い。
「ありがとうっスね、椿っち」
それから椿っちが起きたのは一時間後だった。
「んー…あれ?」
モゾモゾと動きながら、うっすらと目を開ける椿っち。
「起きたっスか?椿っち」
「俺、寝てたのか?」
「そうみたいっスね」
目をゴシゴシとこすりながら身をお越しながら俺を見る。
「昨日は悪かったっス…」
「え?あー…まあ、大丈夫だ」
椿っちは凄く曖昧な返事を返してきた。あの続きをしたい…と思ってしまうのは欲張りだろうか…?せめて…
「椿っち…」
「ん?」
振り返る椿っちを抱き寄せ、額にキスを落とす。あの続きではないがキスだけなら許してくれるだろうか?
その日の次の日、椿っちが風邪を引いたのは言うまでもないだろう…