第6章 修学旅行は波乱の予感?
「こ、こっちにくるなぁああ!!」
「あはははっこんなに怖がってくれるなんて脅かしがいがあるなあ~椿ちゃん」
「へ…?」
この声には聞き覚えがあった。老婆はベリベリと皮を剥くように被っていたマスクを取った。
「す…隅田?」
「そうだよ~これ、よく出来てるでしょ?」
その顔はバンドを一緒にやった隅田の幼い顔だった。隅田はにっこりと笑い、言った。
「てっきり、黄瀬君とペアかと思ったけど違うんだ」
「氷童…知り合いか?」
緑間はまだ、微かに震えている俺を見て問い掛けてきた。
「え?あ、一緒にバンドをやった仲間だ…」
「ねえねえ、椿ちゃん」
「な、なんだ?」
「もしかして…浮気?」
ニヤリと怪しい笑みを浮かべる隅田。
「はあ!?なんでそうなるんだ!」
「だって~緑間君にめっちゃ抱き付いてるじゃん」
「へ?」