第2章 まったく、世話が焼けるんだから…
しばらく固まっているとミゲルが私に気づいたみたい。
「おーい!フンケルン!!」
ミゲルは手をブンブン振って私を呼んだ。
その瞬間、周りの人が一斉にバッと私の方を見る…。
……あぁもう!
私はミゲルとヒリウスくんを掴むと思いっきり逃げた。
背後でカメラのシャッター音と「ケラケラ」という笑い声が聞こえた気がするけど、気の所為だ!
〜体育館裏にて〜
『えっと…その服はどうしたの?』
「フンケルンが帰った後、コスプレについて調べたんだ
そしたらこんな服が出てきた。」
次に私は半泣き状態のヒリウスくんに目を向ける。
『で、どうしてヒリウスくんはメイド服なの?』
「え、演劇部の人に言いに行ったらこの服を押し付けられまして…」
確かに似合ってるけど!
メイド服+涙目+赤面+上目遣いというオプション付きで萌えるけど!!
『と、とりあえず着替えよっか…
まだ朝礼もしてないし、ハロウィンもまだ先だし。』
私がそう言うと2人は着替えに走っていった。
まったく、世話が焼けるんだから…
「本当にねー」
………
『ッ!!!!??』
私はたっぷり3秒間固まっていた。
だって誰もいないはずの背後から突然声が聞こえてきたんだよ!?
しかも、その声は振り向かなくても分かる。絶対にウツギくんだ。
「そんなに驚かなくてもいいのにー」
『いや、誰でも驚くからね!?』
もう、本当に心臓に悪いよ…
「それはそうとして花鳥たちの事、ほうっておくこともできたのにわざわざ注意するなんて優しいね
本当、藤崎さんらしいよ」
ウツギくんに褒められた…?
なんだか…
『裏がありそうで怖い。』
「声に出てるよ?」
珍しくウツギくんにつっこまれました