第5章 これは興味?*nino*side
最近、コンサートに集中できない。
そりゃあ、プロですから
ちゃんと仕事はこなしますけど…
ついちゃんを見てしまう。
これは恋?
それとも…
「興味津々だね、ニノ」
興味なのか?
大野さんが俺の肩に
顎をのせてくる。
コンサートが終わったからか
汗の匂いがハンパないおじさん
「大野さん…これって
恋…なんですかね?」
「さぁ?
鈍感なあの子は気づいてないけど…
俺はあの子の反応を見たい。ていう
興味かなって…思うかな?」
大野さんが言う“あの子”って…
たぶん、あの中華屋の息子のこと。
あの人の…反応?
「それとも…あの二人の反応を
見たいっていう…S心?」
S心…ねぇ?
結局…恋じゃないわけね。