第1章 正反対な二人
〈さん、照明はいります。〉
『りょーかい』
あの合図で中心にいる彼らに
照明を浴びさせる。
その瞬間、たくさんの黄色い声が
ドームでいっぱいになる。
その声とともに照明に照らされる
5人のキラキラした王子たち
【嵐】
『……かっこいい』
〈え?何か言いました?〉
やばっ…無線繋がってたんだ。
『何もないわよ!
仕事に集中しなさい…』
そう。後輩に矛盾した形で怒るあたし。
28歳
この業界に入ってそろそろ5年がたつ。
コンサートの照明を仕切るまでになった
なんて…自分に誉めるわ。
今日はコンサート初日を迎える
札幌ドームでまずは仕事
仕事に集中しようと思うけど
ドームのコンサートの様子は
やっぱり何回見ても…見とれる。
〈~…集中しろよ~〉
と無線から先輩の稲葉さんからの忠告
『あ、は…はい!』