第40章 泣き虫な二人
それから、じっとあたしを見る雅紀
『ねぇ…何かないの?』
「え?…うん…あのね…
天使みたい」
そう言った雅紀につい
声を出して笑ってしまった。
『天使みたいって…』
「本当に…っ…」
どんどん雅紀の目から
大粒の涙が出てくる。
『泣き虫…っ…泣かないでよ~…』
「だって…っ…」
雅紀につられて涙が止まらないあたし
幸せすぎて涙が出てくる。
『うぅ~…っ…』
「俺たち、幸せになろうね?」
『うん…っ…』
あたしたちは鈍感で
強がりで、頑固で、
でも泣き虫な二人
きっと、これからも
そうやって乗り越えていく。
でも、たまには立ち止まってさ?
泣いてもいいよね。
Fin