第3章 小悪魔王子
『おつかれさまですー!』
ちょっと意地悪ぽく二宮さんに
リハーサルの終わりに挨拶した。
そう言うと二宮さんは
いつものようにフワッと微笑んだ。
「本当におもしろい人ですわ。」
『本当に小悪魔ですよ、二宮さん
さっきも…あんな風に…』
「ははっ…あのときの
あなたの顔、写真とりたかったですよ?
タコみたいに赤くなって…」
やっぱり小悪魔だ。
『はぁ…もう、気合い入れるんで!』
あたしはいつものように
気合いをいれるためにほっぺを
ペチンと叩いていると…
『え?』
二宮さんが真剣な顔で
あたしの腕を掴んで止めた。
「傷物はいただけませんからね?
ちゃんと大事に扱わないなさいよ?
可愛い顔を傷つけないでください。」
ほら、やっぱり。
そうやってスラッと言っちゃうんだよ。
やっぱり二宮さんは“小悪魔”です。