第28章 ぬくもり
相葉さんがどこかへ行ってしまった。
どこかで期待してた。
止めてくれるんじゃないかって…
怒ってくれるんじゃないかって…
「何…泣いてんだよ…」
無理矢理キスをしてきた
大輝くんがあたしの顔を見てそう言う。
『っ…泣いてない…っ…』
そんな言葉とは裏腹にあたしの
目からは大粒の涙が流れ出ていた。
「おい、?」
その時、先輩である稲葉さんが
あたしを呼びにきた。
「お前…泣いてんのか?」
『だから泣いてないです!
っ…すぐ行きます…っ…』
「」
稲葉さんの元へ行こうとすると
大輝くんがあたしを呼び止めた。
「……ごめん、あんなことして…」
やめて…罪みたいな言い方
あんなこと?
そんな風に言ったらあたしは
罪をおかしたことになっちゃう。
やっぱり罪?
相葉さん…罪ですか?