第26章 泣いてるひまわり＊翔＊side

「キス…ねぇ…」


「キス？」


そう呟くとニノが
いつのまにか横にいた。

あ、お得意様じゃん。
この話はこういう人にしないと…
相葉くん。


「ちゃんが
相葉くんの前でしちゃったって…
いや、された？
あの…見学の子に…」


「…………は？」


お…やっぱその反応だよね？


「でも相葉くんは
止めれなくて…怒れなくて…
悲しいんだって。」


「へぇ…
綺麗事にしか聞こえませんけどね…」


「綺麗事？」


「だって、そうでしょ？
普通だったら殴ってますよ。
自分の犬噛まれたら…」


犬ってニノ…
でも、その通りだ。
相葉くんは怒っていいんだもんな。
でも…なんで？


「でも…入れなかったんでしょうね。
二人には二人の世界が用意されてて…
入っちゃだめな気がして…

きっと、お得意の思いを止めたんでしょ。」


ニノの言葉に俺は何も言えなかった。
だって、本当にそんな気がして…

だとしたら、ひまわりは
ずっと咲かない気がして、
少し怖くなった。