第25章 大輝くんの想い
「本当に鈍感な女…
俺はお前が好きなの。
お前が兄貴に夢中なときも、
今だって…ずっと…」
そう言う大輝くんの目は
驚くほど真剣で男の人になっていた。
掴まれてる腕は言うことを聞かなくて
さすがに男の力には逆らえなかった。
『……ごめん』
「何のごめん?
気づかなくて?
それとも答えられなくて?」
『……ごめん』
「もういい。
別にそんな顔見に来たんじゃないし…」
はぁ…とため息をもらし
ゆっくり体を離す大輝くん
あたしは彼の想いを知らなかった。
二宮さんと同じことを
もっと長くしてたんだ。
どれだけ傷つけたんだろう。
「なに…」
いつのまにかあたしは
悲しい顔をする大輝くんの頬に
手をおいていた。
『本当は泣いたの。
彩夏から聞いた時…
泣きすぎて、目が腫れたくらい…』
「……」
『辛かった。
だから仕事に没頭したの。
でも…本当に素敵な人に出会えた。
それが相葉さん』
「……」