第25章 大輝くんの想い
相葉さんの降るようなキスが終わり彼が
出ていった後あたしは少し経って楽屋から出た
「あの人と付き合ってんの?」
楽屋から出ると、
壁に寄りかかる大輝くんがいた。
『…うん』
「…はぁ…じゃあ忘れれた?」
きっと、大輝くんが言いたいのは
彼の兄である“康介”のこと。
あたしの初恋の人
『ありがとうね。
でも知ってる。結婚したんでしょ?
彩夏と…』
そう言うと大輝くんは
大きく目を見開いた。
「辛かった…?」
『辛い?
あたしは今、幸せなの。
康介のことは良い幼なじみだと思ってるし…』
なんて言ったとたん、
大輝くんはあたしを引っ張って
壁に背中がぶつかった。
目の前には怖い顔をした大輝くん
でも…悲しそう。
「俺の…想いは…どうなんだよ…」
『……』
何も言えなかった。
というより分からなかった。
彼の想いなんて考えたことがなかったから。