第22章 初恋の彼女*大輝*side
スタジオに入ると
着々と作業は始まっていて…
俺はその様子を見ていた。
あいつは俺が近づけないほど
どんどん遠い存在になってて…
いつも俺を置いてく。
『可愛い弟』
とか言ってる鈍感な女を
俺はなんで好きになったんだろう。
自分が傷つく方ばっかり…
『大輝くん、ヒマじゃない?』
「ヒマだから来たんだけど…」
本当はさ、こんな嫌味言いたくないけど
ダメでしょ。
“お前に会いたかったから”とかは…
『そっか。』
「あのさ…」
そう言うとまたどっかに行く
ポニーテール。
言いたくねぇよ。こんなことも…
“兄貴が結婚する”ってこと。