第28章 星は燃えているか(東峰旭)
「ひと月もサボったこととか、なんかいろいろ気まずいとか、来づらいとか、そういうの関係ないからな」
目の前の大地が背中を向けてそう言った。
その言葉に、視線が下に落ちる。
今日、休み時間に1年生がやって来た。影山と日向と名乗るその2人は、俺のプレーを見たこともないのに、エースとして慕って、また練習に来てほしいと言ってくれた。その気持ちは嬉しかった。けど、余計に辛くなるだけだった。
放課後になって、気がついたら体育館に来ていた。あの1年生の2人組が練習しているのを見ていたら、大地に見つかって、冒頭の言葉を言われた。
「まだバレーが好きかもしれないなら、戻ってくる理由は十分だ」
そこまで言われても、足は部室へ向かなかった。