第2章 HCOOCH3(菅原孝支)
しばらくそうして寝転がっていたが、ふと思い付いて身体を1度起こしてからなまえの上に覆い被さった。
「ねぇ、知らないことばっかりのなまえさん」
火照った顔をなまえに近づけて、額同士をくっつけた。
「君は宇宙の味は知ってても、ひょっとしてキスの味はまだ知らないんじゃないかい?」
「そうね、でもだいたい予想はつくわ」
なまえは幸せそうに答えた。
「レモンのような味じゃないかしら?」
「それ、信じてるとしたらがっかりすると思うぞ」
菅原は、顔をくしゃくしゃにして笑って、2秒、なまえと見つめあった。それから静かに唇を重ねた。
END
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