第12章 戻ってきたもん。
後日、拓斗さん本人に聞いた話。
拓斗さんは私の告白に怒った訳ではなかった。
自分から言えなかった怒りと
好きな人にこんなことを続けさせる
自分の情けなさ、
守れない自分の弱さに絶望したという。
あのときの心理としては
こんなことをさせておいて
好きになってしまう自分の勝手さに
いら立っていたらしい。
妊娠したかもしれないという私の突然の
こくはくにも関わらず、すぐに妊娠検査器を
持ってきてくれたのは
自分が出してしまった時用に準備しておいた
物だったらしい。
もちろん、後日談なわけで
真実ではないかもしれない。
でも、私は拓斗さんを信じようと思う。
スキだから。
好きだから。