第11章 今でもわからない
『バーンッッ!!!!』
ドアをおもいっきり開く。
中には驚いた顔の拓斗さんがいた。
当たった……
やっぱりここにいた。
「果奈?」
「拓斗さんっ!」
私は拓斗さんに勢いよく抱きつく。
拓斗さんがイスから落ちそうになり
あわてて立ち上がる。
イスは大きな音をたてて倒れた。
「おい、果奈っ!どーした!」
「拓斗さんっ好き!」
「っっ!」
「やっぱり拓斗さんが好きだよ」
離れたくない。
離したくない。
私は力一杯、拓斗さんに抱きつく。
すると拓斗さんも私の腰に手をあて
自分の方へと引き寄せてくれた。
「え…」
「んだよ、ばか…」
「拓斗さん?」
「好きじゃねーんじゃなかったのかよ」
「ーーっ」
「くそ。俺、かっこわりぃ」
「なんで?」
「果奈に告れなかったから」
「え…///」
「好きだ。クソ……///」
「ーーーーっ」
涙が、止まらない。
「泣くな」
「むり…」
「なんでだよっ!」
「嬉しいから…」
「んだよ…」
「んんっ///」
拓斗さんのキス……。
やっと心が通じ合えたのかな。