第7章 こくはく
「果奈…」
「え…ちょっまって、拓斗さっっ!」
拓斗さんが無理やりキスをしてきた。
唇を重ねる、軽いキス。
「///…」
「なに?恥ずかしいの?」
果奈は無言で首を縦に動かす。
「バカじゃん笑」
「…怒ってないの………?泣」
「あ?怒ってるよ」
やっぱり…泣
「怒ってねぇはずなくね?自分がどんだけ
勝手だったかわかってる?
時間が経てば許してもらえるとでも
思った?甘く考えんなよ」
「……」
「言っとくけど、どんだけたったって
忘れねぇからな?
このままだと許す気はねぇ。
お前は自分の事しか考えてねぇんだか
なんだか知らねぇけどそーゆーのに
イラついたんだよ」
「じゃあっっ!!!」
「?!」
自分でも驚く程の大声が出た。
でも怯んでる訳にはいかない。
「なんで今日来たのっ?
なんでキスなんかしたの?
それでいきなり怒られたって意味わかんない!」
「……テメェッ」
「っでも…また会えてよかった…」
「…え…」
「拓斗さん、ごめんなさい…ごめんなさい。
全部私が悪いのわかってる。
正直になれなくて、勇気が出なくて
拓斗さんの優しさに甘えてた。
優しく聞いてくれたのに、
私、自分のことで必死で
拓斗さんのこと考えられなくてホントに
本当にごめんなさい…」
果奈が大粒の涙を流して立ち崩れる。
「果奈っ」
拓斗さんが支えてくれる。
そのまま抱き締められた。