第23章 目覚め
ーミーナ…ミーナ……ー
ー遠くで誰かが私を呼んでる。とても優しい声。私はこの声を知ってる…ー
『お母…さん……』
「…ミーナ?ミーナ!?」
ベッドの脇に腰掛けていたベルは勢い良く立ち上がった。
「ルッス!ミーナが意識取り戻すかもしんない!ロン毛とボス呼んでこい!!」
「わかったわ!!」
「む…、目を覚ましたか」
「おっさんはマーモン呼んできて!!」
2人はバタバタと部屋を出ていき、ベルは必死にミーナの名前を呼び続けた。
「ミーナ!ミーナ!!」
『う…うぅ…ベル…?』
「そうだ!俺だ!」
『ここは…?XANXAS!XANXASは!?』
「みんな無事だ。落ち着け」
『スクも!?』
「ああ、うるせーくらいに元気だよ」
『よかった…』
ミーナが落ち着いて枕元にあった紅茶に手を伸ばしかけると部屋の外から地鳴りが聞こえた。
ベルが大きなため息を一つつくのとほぼ同時にドアが壊れるくらいの勢いで開いた。
「「ミーナ!!!」」
『XANXAS、スクぅわ!!』
XANXASはベッドに駆け寄り強くミーナを抱きしめた。スクアーロは安心して力が抜けたのかふらふらと椅子に腰掛けた。
『XANXAS、苦しいよ』
「よかった…。お前を失ったら俺は……」
ミーナは微笑みながらよしよし、とXANXASの頭に手を置き皆の方を向いた。
『ご心配おかけしました。この通り元気です!』