第1章 夢/触れたい*+.・..
夜がくれば、
あの子が来れば
この空間は世界へと変わり出す
モノがあふれる
モノガタリが生まれる
私の恋心も、芽生えていった
あの子が笑うと、心がふわりと浮かぶ。
待っている時のあの辛さを、忘れるコトができる。
一緒に喋って、歩いて、走って、寝っ転がって
あの子が思えば、願えば
空を飛ぶことだって容易い
魔法を使うことも、タイムスリップすることも
でも、楽しい時間はずっと続くものじゃない
いつか必ず終が来る。
朝が来る。
それが何をあらわすのか。
また、この世界に朝が訪れ
世界が空間へ戻るということ。
わかっている
知っているから
あの子は知らなくて、私は知っている
あの子は覚えていなくて、私は覚えてる
辛くて、切なくて、悲しくて、泣きそうになる
けれども
いつものようにおうして、再び夜が来て、世界に変わって、それから君の、暖かい手のぬくもりをこの、無感覚の空間で感じることができるなら
辛さも悲しさも、全てを
この心に、この空間に、止めておくことができると
そう、思える。