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〜時計仕掛けの夢〜

第8章 三月ウサギ・エリオット=マーチ



*帽子屋屋敷・廊下*


――きぃん!!


――ばん!ばんばんっ!!


――きんっ…かきんっ!!


「うるさいんだよ、バカウサギ!僕たちの邪魔をするなよ!」

「そうだよ!ひよこウサギ!」

「うるさいのはお前らの方だろ!!あと、俺はウサギじゃねぇ!!」

(三人ともうるさい…)

廊下が騒がしいと思って部屋のドアを開けたアリスの目の前の光景

双子の門番とNo.2が廊下で殺り合っていた

双子の長い柄の斧が容赦なく振り下ろされるが、余裕でかわすウサギ耳の彼…

「…いい加減にやめなさい」

アリスの一言でピタリと動きを止める三人

「…すまねぇ、アリス」

真っ先に謝ったのが、帽子屋ファミリーのNo.2、エリオット=マーチ

日溜まりのような明るいふわふわの髪の上には、二本のウサギ耳が生えている

非常に短気な性格だが、一度懐に入れた相手にはとことん甘い頼れるお兄さんのような存在だ

「…ごめんなさい、お姉さん。ここ、お姉さんのお部屋の前だったね…」

「今度は違うところでやるから…、許して、お姉さん…」

三人のうるうるっとした目がアリスを見つめる

(………うっ…)
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