第2章 時計屋・ユリウス=モンレー
「何をそんなに怒っているんだ?珍しく時計塔までまっすぐ来れたんだぜ?」
「こういう時だけ早く帰って来るんじゃない!」
いつもの空気に戻ったが、アリスはこれで良かったのだと思った
(ユリウスと二人きりでもいいけど、エースもいた方が楽しいわ…)
まだまだ一緒にいられる
時間はたくさんある
その時間の中で築き上げればいい
大好きな彼と、賑やかな友人と一緒に過ごす幸せを
「そうだ…、アリス!」
「何?」
爽やかな騎士がアリスに微笑む
「ユリウスを大切にしてやってくれ!俺の大切な親友だからな!!」
「エース!いつからお前は私の親友になった!」
「突っ込むところそこかよ、ユリウス〜」
(…もちろん、大切にするわ)
日曜日の穏やかな昼下がり
彼女の好きな愛すべき時間が過去のそれから今の時計塔での時間に変わるのは…
…案外すぐかも知れない
Fin