• テキストサイズ

〜時計仕掛けの夢〜

第1章 ハートの騎士・エース


――ざざざざざざ…


(どうしてッ!!いつもいつもいつもいつも…ッ)

「あはははは!アリス、旅って楽しいよな!」

「何のどこが楽しいのよ!ちっとも楽しくないわッ!!」

「楽しいじゃないか!熊と追いかけっこなんて、滅多に出来ないぜ?」

「出来なくていい!!」

(さ…酸素が欲しい…ッ)



*数時間帯前・ハートの城*



「おーい、アリス!」

「エース?」

青空に赤…。やはり目に痛い組み合わせだ…。

「相変わらず寒いくらいの胡散臭い笑顔ね…」

「ひっどいなぁ、顔を見るなりそれはないぜ」

ははは、と笑う赤い男。

ハートの騎士、エース

真っ赤なコートに身を包み、長剣を腰に挿した彼はハートの城の役持ちで、その剣の腕は確かだ。

「…あなた、また迷子なの?」

「またとは何だよ。俺は迷子じゃない!ちょっと道が分からなくなって、近道をしていたら結果ますます道が分からなくなるだけさ!」

「それを迷子と言わなくて何て言うのよ」

「まあまあ、いいじゃないか!」

(ちっともよくない)

基本、この世界の住人は人の話を聞かない

アリスはこめかみに手を当て、小さく溜め息をつく
/ 112ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp