第2章 時計屋・ユリウス=モンレー
*時計塔・仕事部屋*
(…そろそろだわ)
なるべく音を立てずに立ち上がり、備え付けのキッチンへ移動するアリス
慣れた手つきで豆を挽き、お湯を沸かす
(サンドイッチでも作ったら食べるかしら…?)
今ある材料で簡単に作ると、アリスは自信ありげに頷く
彼女がハートの国に来て始めに出会ったのが、時計塔の主ユリウス=モンレー(思い出したくないのでペーターはカウントしない)
第一印象は…毒舌男
だが、彼は面倒だと言いながらも何故か時計塔への滞在を許可してくれた
不器用だけど優しい人
決して短くはない滞在時間でアリスがわかり始めた彼の性格
素っ気ないけど話はちゃんと聞いてくれ、さり気なく気遣ってくれる
そんな彼のぶっきらぼうな優しさが、アリスは好きだ
彼の数少ない友人の一人として…