第3章 運命の始まり
「東山は『コート上の王女』と言われるくらいの選手だからなっ!」
その言葉に空気がえっ…となる。
(木兎さんには…去年バレてしまったんでした……!)
思い出したがもう遅い。
もう…バレてしまったのだから。
「お前、言うなって言っただろっ!」
「……………」
「すげぇー!…でも王女って?」
「知らないで叫んだのかボゲェ!」
「へー、『王女様』ねぇ。」
「二年前の?あの?!」
「覚えてるっ!本当にいたんだ!」
「全然知らなかった…!」
「あいつが…?!」
この事実は他校だけではなく、音駒にも衝撃を与えた。
(これは……どうなってしまうんでしょう?!)
変わりたいと願った自分に与えられた機会というものかもしれない…と桃は思った。
だがまだ気がついていない。
このことが桃の運命を変えるとは。
そしてここから。
森然合宿。
そして運命が始まる。