第11章 気まぐれと笑って
一日が静かに終えようとしている頃、何故かこの人達は騒がないと死ぬ呪いにでもかかっているみたいに、底知れぬ体力を発揮しようとしていた。
「そろそろ赤司君が決めた消灯時間に入りますね」
「ええ!? 俺もう少し遊んでたいっス!」
「いや、寝ないと怖ぇぞ? 赤司は」
「大ちゃん寝ても起きてても煩いよね」
「なんだと!? さつき!!」
黒子、黄瀬、青峰ペアの部屋でカードゲームをする私とさつきちゃん。肝試しで味わった恐怖を忘れようの会をわざわざ黄瀬が開いてこうなった。何故征十郎ペアを誘わなかったというと……消灯時間に真面目な人物が約二名いる為だ。
いや、悪い事じゃないんだけど楽しい気分に水をさされたくない! という黄瀬と青峰の強い要望にお応えした結果が、これ。
「有栖っちも、もう少し俺らと遊んでたいっスよね?」
「ん? ま、まぁ楽しい時間は長いに越したことはないけど……青峰の言う通り、怖いよ? 彼は」
「え――南雲さんみたいな愚図の分際で、怖がってるんですか? 小心者ですか? ぷぷっ」
「黒子……顔貸せ、アンパンのヒーローみたいな顔にしてやるから」
「嫌ですよ愚図」
「黒子っちってなんで有栖っちにだけ、当たり厳しいんスか?」
黄瀬が苦笑いで私達を見守る中、青峰は「なぁなぁ! 好きな子の話とかしようぜ!」と定番ネタを始めるのだった。
小学生か、君は。