• テキストサイズ

【黒バス】透明な君に恋してる

第10章 月のない夜


「今、変なこと考えましたか?」

「いえ。ナンデモナイデス」

「よし、じゃあ黒子と有栖チームがトップで」


 征十郎の悪魔の囁きが聞こえたところで、黒子は懐中電灯を持ちながら「ほら行きますよ、愚図」と急かしてきた。行けばいいんでしょ行けば……。仕方なく、黒子の後を追うのだった。







「ねぇ、黒子……」

「……」

「ねぇってば……ねぇ」

「……」

「ねえっ!!」


 怖すぎて思わず彼の腕を強く掴んだ。黒子は一瞬びくっとするが「なんですか」と振り返った。


「ねぇ、聞いてるの? ここ……どこなの」

「さあ? 残念ながら、迷いました」

「うっ嘘でしょ……?」


 泣きそう。黒子は携帯を取り出すが溜息を吐いて、携帯を閉じてしまった。


「どうやら圏外で携帯が使えそうにありませんね」

「冗談はやめてよ……」

「冗談ならいいんですけどね」


 本当だったらと考えると、絶望しかない。私達は動き回るのは危ないと判断し、征十郎が気付いてくれるのを待つこととなった。たぶん彼のことだし、頭はいい。なんとかしてくれることを願うしかない。

/ 123ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp