第3章 再会の御話
俺には"目を墜とす"という能力がある。
これは…まぁ、簡単に言えば人を惚れさせて操り人形のように操って俺の好きなようにする。
俺の好きなように、といってもその時はほとんど記憶がないから…その場の状況で把握する。
それに俺はインキュバスの末裔…
もう運命は産まれたときから決められていた。
俺はこの能力を恨んだ。
何故、俺なんだ…と。
でも、この能力があったおかげであの3人と会えた…。
俺が今まで生きてきた中で一番感謝することだ。
「さて、バイトもないし。
買い物でもして帰……る…ッ!!」
ドクンッ
目が熱い…目の奥が熱い……!!
こんな人がたくさんいる…場所で!!
「とりあえず…ここから離れないと……」
意識を手放しそうになりながらも俺は必死に歩いて路地裏に入った。