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過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】

第12章 才能と思想と失望




「で、私は頼まれた仕事を短期間で遂行するために、
自分の能力を最大限に利用して2ヶ月で立体機動の動きを
マスターしたが・・・・・」

「ちょ、ちょっと待ちなさい。
色々説明を飛ばさないで貰えると有り難い。
君の能力を最大限という所をもっと詳しくと、
2ヶ月でどうマスターしたかを是非!」


エルヴィンのツッコミにナナシは明らかに面倒くさそうな視線を投げつけたが、
そこで退く彼ではない。

リヴァイもその辺りを詳しく聞きたかったため
「いいから話しやがれ」と顎でしゃくる。


「・・・あー・・・・・分かりやすく言うと
・・・観察眼とかそういうのを使って他人の動きを盗んで
動きに慣れるのに1ヶ月・・・」

「う、うん?それで?」

「・・・・・立体機動向きの身体を作るのに1ヶ月掛かって、
今に至る・・・」

「説明を端折るんじゃねぇ!!」


ざっくり過ぎる説明にリヴァイも突っ込まざるをえない。
普通は数年掛かる工程をどうやって2ヶ月で出来るというのか・・・。

全く意味がわからない。

それでリヴァイには敵わないと言われても
「当たり前だろ」としか返せないではないか。
まったく説明になっていない説明だ。



詰め寄ってくる二人にどういう風に説明すれば良いのかと
頭を悩ませたものの、すぐにそれを諦めたナナシは結論を
ズバリ言う。


「つまりは・・・自分の才能を最大限行使して立体機動の動きを
マスターしたが、それは自分の能力を最大限引き出したという事で、
私の立体機動技術にはもう伸び代が皆無という結論に至るのだ」

「・・・・・全然説明になってねぇよ、クソが」

「・・・ナナシには紙面での報告書を提出願いたいね」


どや顔で結論を言ったナナシに対し、
エルヴィンとリヴァイは呆れたような遠い目で説明の評価を下した。

壊滅的な説明能力の無さだ。

しかも本人の努力が感じられない所が余計に質が悪いと思う。


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