過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】
第12章 才能と思想と失望
「3ヶ月だ」
「3ヶ月だと・・・っ!?」
ちょっと、待て。
たった3ヶ月やっただけの奴に「お前の方が強い」と言われても
屈辱しか感じないのだが・・・と流石のリヴァイも
切れそうになる。
欠点が直せないとか言ってるが、
こいつのはただの甘えなんじゃないのか、と
青筋を立てながらナナシに詰め寄った。
「おい、今から立体機動戦をするぞ」
「断る」
「たった3ヶ月やっただけで偉そうにほざくな。
その甘い根性を叩き直してやる」
「それは良いね。是非二人の模擬戦を見てみたいものだ」
サインする手を止めずエルヴィンがリヴァイを援護するように
会話に乱入してきた。
二人の様子に「落ち着け」と宥めながら、
ナナシは二人を納得させるように話を続ける。
「小僧も知っていると思うが、私は身体の動きを正確に読み取ることが得意だ。
それは立体機動においても変わらぬ」
「それで?」
「私の動きは以前見た小僧の動きを模倣しておるが、
頭で考えるのと体の動きは全く別物だ」
「まぁ、君の言わんとしていることはわかるけどね」
リヴァイとエルヴィンが相槌を打つが、
表情からして納得はしていない。