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過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】

第77章 それぞれの想い









「仲直り?仲直りだと?私がいくらそれを望んでも
拒絶しているのは向こうなんだ。どうしろというんだ?」


リヴァイ並みに眉間の皺が深くなっているエルヴィンに、
ミケも「そうだよな」と思う。

ナナシの方に取り付く島がないのだから、
エルヴィンがいくら努力してもダメなのだ。


あれから何度も話し合いの場を設けようとしたが、
上手く逃げ回られた上、ナナシは幹部達も
避けるようになってしまった。

マンツーマンの護身術や護剣術、柔剣訓練は
きっちりやってくれるが、ナナシとのやり取りは
全て事務的で、終わればさっさと姿を消してしまう為、
雑談も出来ない。

自然と三時のお茶も無くなり、エルヴィンは心身共に荒れる一方。


何を考えているのかさっぱりわからず、
エルヴィン達の困惑は増すばかりだ。


「・・・・・・・それで、ナナシは今何をしている?」

「また尾行を撒かれて、ナナバが悔しそうに帰ってきた」

「・・・・クソッ!!」


ガンッ!と机を蹴ったエルヴィンは、相当荒れていた。

今も変わらずナナシには監視をつけているが、
その全てが撒かれており、最近では何をしているかわからない事が
多くなってしまった。

事情もわからず一方的に拒絶されるのは、
気分が良いものではない。

どこかにヒントは無いかとエルヴィン達は必死だった。


それくらいナナシの存在は調査兵団の中で大きなものとなっているのだが、
当の本人はそれを望まず遠ざかっていってしまう。



ミケは荒れるエルヴィンを見ながら心の中で
「また皆で三時のお茶が飲みたいな」と思った。






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