過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】
第69章 デートしよう!
早足で歩くナナシに追いついてみると、
犬のぬいぐるみが大事そうに抱かれているのを見て
俺の心は更に温かくなった。
無理矢理押し付けた物でも、ナナシはぞんざいに扱わず、
守るように抱いているのだ。
嬉しくないはずがない。
ナナシに何がそんなに嬉しいのかと聞かれたが、
これは俺の中の秘密にしておこうと決めた。
言ったらナナシが亡き恋人を思い出してしまうだろうから・・・。
もっとナナシの心の中が「エルヴィン・スミス」で
いっぱいになれば良いのにと思う。
幼稚な俺を許しておくれ、ナナシ・・・。